バー開業に必要な厨房設備とは?内装・設備工事と物件選びの注意点

更新日:2 日前
バーを開業する際、カウンターや照明、壁・床などの内装デザインに目が向きがちですが、実際の営業を支えるのは厨房とバックバーの設備です。
製氷機や冷蔵庫を購入するだけでは営業できません。機器を使用するための電気容量、給排水、給湯、換気、空調などもあわせて計画する必要があります。
物件を契約してから、
必要な場所に排水を設けられない
電気容量が不足している
製氷機や冷蔵庫がカウンター内に収まらない
保健所の施設基準に合わせた手洗い設備がない
換気や空調が不十分
居抜き設備が故障していた
といった問題が分かると、追加工事やレイアウト変更が必要になることがあります。
この記事では、バー開業に必要となる主な厨房設備と、物件契約前に確認したい設備工事のポイントを、店舗内装・設備工事を行う株式会社賽が解説します。

バーに必要な厨房設備一覧
必要な設備は、ドリンクだけを提供するのか、本格的な料理も提供するのかによって変わります。一般的なバーで検討される主な設備は、次のとおりです。
設備 | 主な役割 | 必要性の目安 |
製氷機 | ドリンク用の氷を製造 | 多くのバーで必要 |
冷蔵庫・冷凍庫 | 酒類、割り材、食材の保管 | 必要 |
シンク | グラス・器具・食材などの洗浄 | 必要 |
従業員用手洗い設備 | 手指の洗浄 | 原則必要 |
給湯設備 | 洗浄用のお湯を供給 | 基準・営業内容に応じて必要 |
作業台 | ドリンクや料理の準備 | 営業内容に応じて必要 |
収納棚 | グラス、食器、器具の保管 | 必要 |
グラスウォッシャー・食器洗浄機 | グラスや食器の洗浄 | 営業規模に応じて検討 |
ビールサーバー | 生ビールの提供 | メニューに応じて必要 |
ワインセラー | ワインの温度管理 | メニューに応じて必要 |
コールドテーブル | 冷蔵庫と作業台を兼用 | 省スペース店舗に有効 |
コンロ・IH機器 | 加熱調理 | フード内容に応じて必要 |
電子レンジ・オーブン | 温め・調理 | フード内容に応じて必要 |
換気設備 | 熱・臭い・湿気の排出 | 調理内容に応じて必要 |
空調設備 | 客席・厨房の温度管理 | 必要 |
ただし、これらをすべて設置すれば営業許可を取得できるという意味ではありません。
必要な設備や施設基準は、店舗所在地、メニュー、調理方法、店舗規模などによって異なるため、設計・工事前に管轄保健所へ相談することが重要です。
① 製氷機
バーの営業で特に重要なのが製氷機です。
ハイボール、カクテル、サワー、ソフトドリンクなど、多くのメニューで氷を使用します。店舗の席数やメニュー構成に対して製氷能力が不足すると、営業時間中に氷が足りなくなる可能性があります。
製氷機を選ぶ際は、次の点を確認します。
一日に必要となる氷の量
氷の形状と大きさ
本体の寸法
給水・排水の接続位置
必要な電源
周囲の放熱スペース
清掃・メンテナンスのしやすさ
製氷機は、電源をつなぐだけで使用できる機器ではありません。給水と排水の工事が必要になるため、カウンター内のレイアウトを決める段階で設置位置を計画します。
又、実際にバーを営業している方々の中ではテナントに残されている製氷機をそのまま使用されている方も多くいますが、契約時製氷機があったので大丈夫!と思っていてもじつっは壊れていて余分なお金の出費が発生した、、、なんて事例もあるので確認が必要です。
② 冷蔵庫・冷凍庫
バーでは、ビール、ワイン、果物、割り材、食材などを適切な温度で保管するため、冷蔵・冷凍設備が必要です。
小規模なバーでは、カウンター下に設置できるコールドテーブルを採用すると、限られたスペースを有効に使えます。
冷蔵庫を選ぶ際は、容量だけでなく次の点も重要です。
扉を開けても通路をふさがないか
カウンター内に収まる高さか
作業台として使用できるか
コンセントの位置が合っているか
機器から発生する熱を逃がせるか
搬入経路を確保できるか
ワインを主力商品にする場合は、提供温度や保管本数に合わせてワインセラーも検討します。
又、繁華街に出店するバーの場合等は冷蔵庫をあまり使用しない場合もあり、テナントに備え付けられていた冷蔵庫をそのまま引き継いで使用することも可能かと思います。
③ シンク・洗浄設備
シンクは、グラス、食器、調理器具などを洗浄するために必要です。
必要なシンクの数、サイズ、用途は、店舗の営業内容や管轄保健所の施設基準によって異なります。
グラスの使用量が多い店舗では、グラスウォッシャーや食器洗浄機を設置すると、洗浄作業の負担を軽減できます。
ただし、洗浄機を追加すると、次の設備も確認しなければなりません。
給水
給湯
排水
電源容量
設置スペース
洗浄後のグラスを置く場所
洗剤などの保管場所
機器本体だけでなく、使用するために必要な周辺設備まで含めて計画しましょう。
実際に超音波型の洗浄機等小さなスペースでも活用することができる商品もあります。
④ 従業員用の手洗い設備
飲食店営業許可を受ける施設では、従業員が使用する手洗い設備が重要な確認項目になります。
一般的には、厨房や調理・ドリンク作業を行う区画に、作業用シンクとは別の手洗い設備を設けます。
手洗い設備には、手指の再汚染を防止できる水栓など、所在地の施設基準に合わせた仕様が求められる場合があります。
居抜き物件で手洗い器が残っていても、その大きさや水栓の仕様、設置位置が現在の基準に適合するとは限りません。工事前に管轄保健所へ確認することが大切です。
例えばですが古くから営業されていたテナント等で水道の蛇口がレバー型になっていなかったなど確認が必要な部分もあります。
⑤ 給湯設備
グラスや器具の洗浄を行うため、給湯設備が必要になる場合があります。
物件に給湯器が残っていても、次の問題がないか確認します。
正常に作動するか
必要な場所までお湯を供給できるか
同時使用に対応できる容量か
ガス式か電気式か
排気設備が必要か
設置年数が古くないか
容量が不足すると、洗浄中にお湯が出にくくなるなど、営業に支障が出る可能性があります。
また、トイレ側のお手洗いが急に熱いお湯がでてしまうなどもあるため物件契約時に確認が必要です。
⑥ 作業台と収納設備
バーでは、限られたカウンター内で多くの作業を行います。
ドリンクを作る
グラスを洗う
ボトルや割り材を取り出す
料理を盛り付ける
使用済みのグラスを一時的に置く
洗浄後のグラスを収納する
作業台が狭すぎたり、収納が離れすぎたりすると、スタッフが何度も移動することになり、提供速度が下がります。
ボトル棚や吊戸棚を増やせば収納量は確保できますが、高さや奥行きによっては取り出しにくくなるほか、店内の見通しや圧迫感にも影響します。
株式会社賽では、カウンターやボトル棚の見た目だけでなく、営業中の動作を想定しながら造作・設備配置を計画します。
⑦ コンロ・IH・電子レンジなどの調理機器
簡単なおつまみだけを提供する店舗と、本格的な料理を提供する店舗では、必要な厨房設備が大きく異なります。
加熱調理を行う場合は、使用する機器だけでなく、電気やガスの容量、換気・排気設備、防火対策も確認します。
特に次のような調理を予定している場合は、設備計画が重要です。
揚げ物
焼き物
炒め物
煙や蒸気が多く発生する調理
強い臭いが発生する調理
提供するメニューが決まる前に厨房を設計すると、後から必要な機器を追加できない可能性があります。
設計前に、提供予定のフードメニューと調理方法を施工会社へ伝えておきましょう。
又、料理やおつまみを提供しないからいらないだろうと思っていても従業員が買ってきたご飯、お客様がコンビニで買ってきたお味噌汁にお湯を入れたいなど電気ケトルや電子レンジ等最低限あってょうがいいものはあります。
⑧ ビールサーバー・ワインセラーなどの酒類設備
バーでは、営業スタイルに応じて次のような酒類関係設備を設置します。
ビールサーバー
ワインセラー
ボトルクーラー
ショーケース冷蔵庫
炭酸ガスボンベ
樽や酒類の保管スペース
ボトル棚
グラスラック
ビールサーバーやガスボンベは、営業中に交換・補充しやすい位置に配置する必要があります。また、ボトルを美しく見せるバックバーも、デザインだけでなく、落下防止、耐荷重、照明の熱、清掃のしやすさなどを考慮します。
機器より先に確認したい5つの設備工事
厨房機器を選ぶ前に、その機器を使用できる物件か確認しなければなりません。
特に重要なのが、次の5項目です。
① 電気容量・コンセント
バーでは、冷蔵庫、製氷機、食器洗浄機、電子レンジ、照明、空調、音響などを同時に使用します。
物件全体の電気容量が不足していると、営業中にブレーカーが落ちたり、希望する機器を設置できなかったりする可能性があります。
確認したい項目は次のとおりです。
物件全体の契約容量
分電盤の状態
単相100V・200Vの必要数
三相200V機器の有無
厨房機器ごとの消費電力
コンセントの位置と回路
空調や照明を含めた同時使用量
容量を増設できるか
コンセントがあるから使用できるとは限りません。同じ回路に複数の機器が集中していないかも確認が必要です。
また、客席にコンセントは設置したいか等も考えにいれるといいでしょう。
② 給水・排水
製氷機、シンク、手洗い器、食器洗浄機などには給排水が必要です。
設備の設置位置を大きく変更すると、床や壁を解体して配管を延長しなければならない場合があります。
特に地下店舗や上階の店舗では、排水勾配を確保できるか、下階への漏水リスクがないかなども確認します。
物件契約前に確認したいポイントは次のとおりです。
給水管・排水管の位置
配管の口径と状態
排水勾配を確保できるか
厨房設備を希望位置に設置できるか
床を解体する必要があるか
漏水や詰まりの形跡がないか
グリストラップなどの設備が必要か
排水経路は工事費やレイアウトに大きく影響するため、早い段階で確認します。
③ ガス設備
ガスコンロやガス給湯器を使用する場合は、ガス配管と容量を確認します。
既存のガス配管があっても、使用する機器に対して容量が足りるとは限りません。また、建物や貸主の規定によって、ガス機器を追加できない場合もあります。
ガスを使用しない場合は、IHなどの電気機器へ変更できますが、その分、電気容量の確保が必要です。
④ 換気・排気設備
換気設備は、厨房の熱、蒸気、臭いを排出するために必要です。
調理内容によっては、既存の換気扇だけでは能力が不足する可能性があります。
どの程度の加熱調理を行うか
煙や油を使用するか
排気をどこへ出せるか
ダクトを通せる経路があるか
建物や貸主から工事の承認を得られるか
近隣へ臭いや音の影響が出ないか
これらを確認したうえで、必要な換気量と設備を計画します。
又、古くからあるビルの場合換気扇が機能していないケースもあるので要確認が必要です。
⑤ 空調設備
バーは、お客様が長時間滞在する業態です。そのため、店内の温度や空気環境は居心地に大きく影響します。
冷蔵庫、製氷機、照明、厨房機器、人の体温などによって、営業中の店内には熱が発生します。内見時に空調が効いていても、満席時や厨房機器の稼働時には能力が足りない可能性があります。
客席面積だけでなく、営業時間、席数、厨房からの発熱、入口の開閉なども考慮して空調を計画します。
バーカウンター内の設備配置
使いやすいバーカウンターをつくるには、機器を無理なく並べるだけでなく、実際の作業順序を考える必要があります。
例えば、ドリンクを提供する基本的な動きは次のようになります。
グラスを取り出す
氷を入れる
ボトルや割り材を取り出す
ドリンクを作る
お客様へ提供する
使用済みグラスを下げる
洗浄する
乾燥・収納する
グラス、製氷機、冷蔵庫、ボトル棚、シンクが離れていると、スタッフの移動回数が増えます。一人で営業する小規模なバーでは、カウンター内で少ない歩数で作業を完結できる配置が特に重要です。
一方で、スタッフが複数いる店舗では、作業場所が重なって動線が詰まらないように計画します。
提供メニューによって必要設備は変わる
ドリンク中心の小規模バー
主に検討する設備は次のとおりです。
製氷機
冷蔵庫・コールドテーブル
シンク
手洗い設備
給湯設備
作業台
ボトル棚
グラス収納
ビールサーバーなど
軽食を提供するバー
ドリンク用設備に加えて、次のような設備を検討します。
電子レンジ
小型オーブン
IH調理器
食材用冷蔵・冷凍庫
調理作業台
食器収納
必要な換気設備
本格的な料理を提供するダイニングバー
調理内容に応じて、さらに次の設備が必要になる可能性があります。
業務用コンロ
フライヤー
オーブン
大型冷蔵・冷凍庫
調理用シンク
食器洗浄機
フード
ダクト・排気設備
グリストラップ
ガスまたは大容量電源
必要設備は店名ではなく、実際に提供するメニューと調理方法から決まります。
居抜き物件の厨房設備はそのまま使える?
居抜き物件には、カウンター、冷蔵庫、製氷機、シンクなどが残されていることがあります。
設備を再利用できれば開業費用を抑えられる可能性がありますが、残っているからといって、すべて使用できるとは限りません。
契約前に次の点を確認しましょう。
機器が正常に動作するか
製造年と使用年数
メーカーの修理対応が残っているか
異音・水漏れ・冷却不良がないか
清掃・衛生状態
電気・ガス容量が合っているか
給排水に問題がないか
新しいメニューに合った設備か
保健所の施設基準に対応できるか
所有権と故障時の負担が明確か
古い設備を無理に残すと、オープン後すぐに故障し、営業を止めなければならないこともあります。
再利用によって抑えられる費用と、修理・交換のリスクを比較して判断することが重要です。
バーの設備工事で起こりやすい失敗
厨房機器を先に購入する
機器を先に購入すると、設置場所に収まらない、搬入できない、電気容量が足りない、給排水を接続できないといった問題が起こる可能性があります。
購入前に、機器の寸法、電源、給排水、放熱条件、搬入経路を確認しましょう。
席数を優先して厨房を狭くする
客席を増やすためにカウンター内を狭くすると、スタッフが動きにくくなり、提供速度や作業効率が下がります。
営業中の人数と作業内容を想定し、必要な通路と作業スペースを確保することが大切です。
電気容量を確認していない
設備を設置できても、同時使用するとブレーカーが落ちるケースがあります。
厨房機器だけでなく、空調、照明、音響、レジなどを含めて確認します。
排水位置を確認していない
排水設備を移動する工事は、床の構造や配管経路によって費用が大きく変わります。物件契約前に希望するレイアウトが可能か確認しましょう。
保健所への相談が遅れる
工事後に設備の追加や変更を求められると、オープン日や予算に影響します。図面ができた段階で管轄保健所へ事前相談しておくことが大切です。
物件契約前に施工会社へ相談するメリット
厨房・設備工事は、物件の条件によって費用が大きく変わります。
見た目が同じ広さの物件でも、既存設備、配管位置、電気容量、換気経路などによって必要な工事内容は異なります。
物件契約前に施工会社へ相談することで、次の内容を確認できます。
希望する厨房設備を設置できるか
電気・ガス容量が足りるか
給排水を希望位置まで通せるか
必要な換気・空調設備を設置できるか
居抜き設備を再利用できるか
想定予算内で工事できるか
希望するオープン日に間に合うか
契約後の手戻りを防ぐためにも、候補物件の段階で確認することをおすすめします。
ここまで読んでくださった方は良ければこちら記事もお読みください。
バーの厨房・設備工事は株式会社賽へ
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物件所在地
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店舗面積
希望する席数
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希望する厨房機器
居抜き設備の有無
開業予算
オープン予定時期
物件や工事内容を確認したうえで、対応方法をご案内します。
まとめ|厨房設備は物件契約前に確認しましょう
バーの厨房には、製氷機、冷蔵庫、シンク、手洗い設備、給湯設備などが必要になります。
しかし、設備本体だけを揃えても営業できません。
電気容量
給水・排水
給湯
ガス
換気・排気
空調
作業動線
収納
保健所の施設基準
これらを含めて計画する必要があります。
設備を購入した後や物件を契約した後に問題が分かると、追加費用や工期の遅れにつながります。
バーの開業を検討している方は、契約前に物件資料や図面を株式会社賽までお送りください。内装・設備工事の視点から、必要な確認事項や工事内容を整理してご案内します。
よくあるご質問
Q. 小さなバーでも厨房設備は必要ですか?
はい。ドリンク提供が中心の小規模なバーでも、飲食店営業許可に対応した手洗い設備や洗浄設備、冷蔵設備などが必要になります。具体的な基準は管轄保健所へ確認します。
Q. 厨房機器も選んでもらえますか?
店舗の広さ、メニュー、席数、予算、電気・給排水の条件などを確認し、必要な機器と配置をご提案します。
Q. 居抜き物件の製氷機や冷蔵庫は使えますか?
動作状況、使用年数、容量、電源、給排水などを確認したうえで判断します。状態によっては、修理や交換をおすすめする場合があります。
Q. カウンターだけの造作も依頼できますか?
カウンターの造作を含む店舗改装についてご相談いただけます。給排水や電気設備を伴う場合もまとめて計画できます。
Q. 保健所への相談前でも依頼できますか?
はい。営業内容や希望するメニューを伺い、必要な設備とレイアウトを整理します。施設基準の最終確認は、所在地を管轄する保健所へ事前相談を行いながら進めます。
Q. 大阪以外でも工事を依頼できますか?
はい。株式会社賽では、大阪を拠点に全国の店舗内装・設備工事へ対応しています。所在地、工事内容、開業予定時期などを確認したうえで対応方法をご案内します。
※飲食店営業許可の施設基準や必要設備は、所在地、営業内容、店舗規模、メニューなどによって異なります。本記事は一般的な情報を紹介するものであり、許可取得を保証するものではありません。実際の設備計画や申請については、管轄保健所などへご確認ください。
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